2008年08月03日

レンズが見た昭和20年代 林忠彦著『カストリ時代』

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今回は、1987年に朝日文庫から刊行された、
林忠彦撮影・著『カストリ時代』を紹介する。
(以前から紹介しようと思っていた)
1987年に私が新刊で買ったものである。
当時、私はこの本の中に収められている写真を
興味深く眺めたものだった。
勿論、今でさえもこの時代は私には興味深い。
同じ日本とは思えない程の異世界は広がっている。
林忠彦は今となっては貴重な写真を多く撮影している。
復員兵、浮浪児、太宰治などの文士、
それに(かつては小林トシ子も在籍していた)
日劇ダンシングチーム・・・。
検索して判った事だが、林忠彦の写真展「カストリ時代」を
奇しくもつい先ごろまでやっていたようである。
こういうシンクロを私はよく体験する。
この時期の映画として、私は「麻雀放浪記」を思い出す。
私が多感な十代の頃にTVで放映した事があって、
強烈な印象を残したのだ。
映画の中で流れていた、岡晴夫の「東京の花売娘」(1946)は
私の好きな歌となった。

文士と小説のふるさと文士と小説のふるさと
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 文士と小説のふるさと
[著者] 林 忠彦
[種類] 単行本
[発売日] 2007-04
[出版社] ピエ・ブックス

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2008年01月12日

おすすめの本 『書物愛 蔵書票の世界』 235冊目

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本と版画美術への愛から生まれた自分だけの
蔵書のしるし、「蔵書票」。
その歴史、具体的な制作法、
蔵書票作家を紹介するミニ事典、
さらに、つきない魅力を存分に語るエッセイから、
西欧のエロティックな逸品
・美しいお宝作品紹介まで、
至れり尽くせりの蔵書票入門。
小版画図版一四〇点収載、超お買得。
本好き、愛書家、読書人、待望の一冊。
(本書の紹介文より抜粋)

今回は、日本書票協会(著)『書物愛 蔵書票の世界』を紹介する。
(平凡社新書)2002年刊行。
至れり尽くせりの蔵書票入門、小版画図版一四〇点収載、
超お買得と有る様に、正に蔵書票とは何ぞやと思う時、
本書は格好のテキストになるはずである。
それ程に、大変良くまとまっている。
本書の第三章「蔵書票を楽しむ」の執筆人も又素晴らしい。
山本茂樹、気谷誠、田中栞等が蔵書票について語っている。
同類の本、樋田直人著『蔵書票の美』よりも
本書の方が(私見では有るが)バランス良くまとまっていると思う。
『蔵書票の美』よりも本書を薦めたい。
しかし、こういった趣味は特殊な分野であるので、
決してブームにはなりやしないだろう。
(切手やコイン蒐集の様に、万人に敷居が低い分野とは、とても言えない)
蔵書票蒐集家は今後、減りはすれども、決して増えやしないだろう。
本体の書物自体に関心を持つ人が少なくなり、
読書人口も、また古書蒐集人口も年々減っているのだから。
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2007年09月01日

作家 西村寿行の死 (221〜226冊目)

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2007年8月23日、作家の西村寿行(76歳)が
肝不全の為、死去というニュースを聞いたのは、
2007年8月26日の事である。
西村寿行は、男の欲望の体現化に成功した作家だと思う。
西村寿行の作品との出会いは、
私が多感な思春期であった、15〜17歳頃である。
一番初めに読んだ、西村寿行の作品は『滅びの笛』だと思う。
これが15歳の頃で、それから少し間を得、17歳の頃、
再度、西村寿行の作品を貪る様に読破して行った。
私は中学生の頃、大藪春彦を大変好んだ。
西村寿行の作品も大藪春彦と同系列の匂いがし、
西村寿行の作品群に触れた時、私は宝の山を
見つけた様な気持ちで狂喜乱舞したのであった。
そして私は1980年代後半辺りまで、
西村寿行の作品を読み続けた。
それは西村寿行の黄金期の終わりと一致する。
西村寿行の秀作が相次いで発表された時期は
1970年代後半であり、この時期こそ西村寿行作品の
本質を知る事が出来ると思う。
私がとても印象に残った作品、好きな作品は沢山有る。
しかし、私は今回敢えて、この六作品を挙げてみたいと思う。

『悪霊の棲む日々』徳間書店 (1977年)
日本の小説には珍しくバッドエンドであり、
とても後味が悪い作品で、物語は、陰惨極まりない
終わり方をしている。
それがとても珍しく感じて、印象に残っている。
これほど絶望的な状況も珍しいのではないかと思う。

『怒りの白き都』 徳間書店 (1978年)
虐げられた男達が、正に男の欲望を
体現化した様な理想郷を作る話である。
男、そして、女の本質がよく描かれている。
人間の本質というべきだろうか。
西村寿行の作品は、人の闘いが描かれる。
男対男、女対女・・・。
しかし、この作品では男と女の死闘を描いている。
どっちが支配するか、どっちが支配されるか・・・。

『魔の牙』 徳間書店 (1977年)
極限状態の置かれた人間を
西村寿行は好んで描いている。
この作品は、正に極限状態の置かれた
人間を描いている。
男はどう生きるのか?
女はどう生きるのか?
それを描いて見せた作品である。
緊迫感の有る描写は卓越している。

『回帰線に吼ゆ』 角川書店 (1978年)
これも人間の極限状態を描いた作品である。
脱走した囚人が、押し入った家の住人を
見せしめに殺す描写等には度胆を抜かれた。
ここまで無残な描写も珍しい。

『わが魂、久遠の闇に』 講談社 (1978年)
西村寿行の作品は復讐物も多い。
これもその一つであり、カンニバリズムを扱っている。
妻と娘が乗った飛行機が墜落、
飛行機の乗客達は、主人公の男の妻と娘を
生きるが為に食らう・・・。
真相を知った主人公が妻と娘を食らった者達に
復讐をする物語である。

『症候群』 光文社 (1982年)
この短編集は評価が高い。
この短編集のタイトルとなっている、
同名の短編『症候群』の評価は
とても高く、この作品を読む人は
一生忘れる事は無いだろう。

私の好きな作家に西村望がいる。
西村望と西村寿行は兄弟である。
両人とも、実に人間の本質を描くのが上手い。
人とは何か?男とは何か?女とは何か?
それらを作品を通じ、我々に提示している。
これらの業績は偉大としか言いようが無い。
両者の作品とも、(高尚と言われている)
純文学とは言えない。
大衆小説として、謗りさえも受けている。
しかし、私は彼らに絶大なる賛辞を送りたい。
ノーベル文学賞を授与された作品だけが
良い作品だとは決して思わない。
文学というのは、人間を描くものであると思っている。
そして、人に対し、感銘を与えるものだと思っている。
西村望と西村寿行の両作品は、
それらに見事に合致している。
ご冥福をお祈り致します。
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2007年05月26日

おすすめの本 南條 範夫著『牢獄 』216冊目

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異例の大昇進を遂げたその日に、
厳徳aは突然投獄されてしまう。
明の初め、魔性の皇帝太祖治下では、
怖るべき政治と粛清が繰り返されていた。
才学抜群の厳は、大官の誇りにかけて
無実を弁明しようとするが、
待ちうけていたのは洗脳という、
傷ましい人間性の破壊であった…。
凄絶な傑作、中国歴史長編。
(本書紹介文より抜粋)

今回は、南條 範夫著『牢獄 』を紹介する。
講談社文庫より1991年に刊行。
中国の歴史は粛清の歴史とも言える。
また、中国という国は世界に類を見ない、洗脳と拷問、
処刑が高度に発達した国でもある。
そんな中国を舞台にした人間ドラマであるが、
不条理なドラマでもある。
このような事が実際に昔の中国で行われていたのかと
思うと背筋が凍る思いである。
これは本当に衝撃的であり、薦めたい作品の一つである。
特に物語の最後の描写が悲惨に拍車をかけている。
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2006年07月29日

おすすめの本 ロアルド・ダール著『あなたに似た人』195冊目

anataninitahito.JPG

今回はロアルド・ダール著 田村隆一訳 『あなたに似た人』を
紹介する。ハヤカワ文庫から1976年刊行。
1970年代後半に、深夜のTV東京でダールの短編が映像化した、
海外ドラマが放映されていたのを今でも覚えている。
本作品『あなたに似た人』はダールの珠玉とも言える作品が収められている。

あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] あなたに似た人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 22-1))
[著者] ロアルド・ダール田村 隆一Roald Dahl
[種類] 文庫
[発..
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2006年05月27日

おすすめの本 T・ブロック著『超音速漂流』(文春文庫)183冊目

mayday.JPG

トランス・ユナイテッド航空52便がミサイルの直撃を受け、
機長は死亡、乗客は酸欠により狂暴化、無線も使用不可能・・・。
しかも地上からの誘導は不可解極まるものだった。
悪意の空を漂流し続ける巨大旅客機ストラトン797の運命は?
思わず唸る着想と堅牢な構成で「史上ナンバー1」の評価を得た
航空パニック小説の傑作。
(本書紹介文より抜粋)

今回は、T・ブロック著 村上博基訳 『超音速漂流』を紹介する。
本書は1984年に文春文庫より刊行。
これが私が好きな作品であり、おすすめの本である。
本書紹介文にもあるが、巧みな物語構成、着想、
それにサスペンス、淡々とした描写で
見事な作品に仕上がっている。
私はこの本を何度も読んだものである。
なお、本書は、2001年に全面加筆され、改訂新版として刊行された。

超音速漂流 (文春文庫)超音速漂流 (文春文庫)
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 超音速漂流 (文春文庫)
[著者] ネルソン デミルトマス ブロック
[種類] 文庫
[発売日] 2001-12
[出版社] 文藝春秋

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2006年04月29日

おすすめの本 ボブ・ラングレー著『北壁の死闘』172冊目

hokuhekinositou.JPG

アイガー北壁の難所、《神々のトラバース》を登攀中の
クライマー二人が、奇妙な遺体を発見した。白骨化した下半身、
氷漬けになっていたため損われていない上半身。
二人は下山後警察に通報するが口止めされる。
話をききつけたBBC調査員が探り出した意外な事実とは? 
第二次大戦末期、原爆開発をめぐり、ナチスドイツが
精鋭クライマーを集めて、打った奇策。
追い詰められた彼らが魔の北壁で繰り広げた壮絶な死闘。
息もつかせぬ迫力の登攀シーン、山岳冒険小説の傑作!
日本冒険小説協会大賞を受賞した超一級の山岳冒険小説。
(本書紹介文より抜粋)

今回はボブ・ラングレー著 海津正彦訳
『北壁の死闘』を紹介する。
1987年に東京創元社より刊行(創元ノヴェルズ)
今回は山岳冒険小説の名作『北壁の死闘』を紹介する。
この本も私は何度も読んだ。
それほど面白いと感じた小説である。
ボブ・ラングレーは良い作品を書く作家である。

北壁の死闘 (創元ノヴェルズ)北壁の死闘 (創元ノヴェルズ)
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 北壁の死闘 (創元ノヴェルズ)
[著者] 海津 正彦ボブ・ラングレー
[種類] 文庫
[発売日] 1987-12
[出版社] 東京創元社..
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2006年03月11日

おすすめの本 吉村昭著『海も暮れきる』(1980 講談社)153冊目

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尾崎放哉(おざき ほうさい、1885年1月20日(明治18年)
- 1926年4月7日(大正15年))は日本の漂泊俳人。
本名は尾崎秀雄(おざき ひでお)。
小豆島土庄町の王子山蓮華院西光寺奥ノ院南郷庵の庵主となる。
ここで落ち着き、俳句の創作に没頭したが、結核に罹患する。
翌、大正15年4月7日結核が悪化し他界。享年42歳。
(尾崎放哉紹介文より抜粋)

今回は吉村昭著『海も暮れきる』(1980 講談社)を紹介する。
本書は孤高の俳人、尾崎放哉の人生を淡々と綴った佳作である。
絶望、孤独、病苦、貧困の中、死んだ尾崎放哉。
「すばらしい乳房だ蚊が居る」「咳をしても一人」などの自由句の作品がある。
尾崎放哉とて男であり、性欲は勿論有る。
離別した愛妻である、馨を思う心情がよく表現されている。
ただの独り言といえば、そうかも知れない。
しかし、尾崎放哉の女体への憧憬がよく判る。
咳をしても一人・・・咳をしたとて、誰も気にしない、
また気遣いさえもない孤独な日常がよく表現されていると思う。
本書も私は何度も読み返したものである。
これほどに壮絶な人生を送った男がいるのである。
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2006年01月15日

おすすめの本 坂口弘著『あさま山荘1972 上下続』133〜135冊目

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あさま山荘銃撃戦・同志殺害の当事者として
死刑判決を受けた著者が、20年の沈黙を破り、
初めて明かす事件の全容。(1993 彩流社)
(本書紹介文より抜粋)

今回は坂口弘著『あさま山荘1972 上下続』を紹介する。
もう30年以上前のことであるが、当時生中継され、
最高の視聴率を記録したという事件である。
私もかすかに、このあさま山荘の攻防戦、
鉄球があさま山荘を破壊していく様子を覚えている。
はっきりとではないにしろ、私は記憶している。
私が本書を読んだのは、数年前で有るが、
読んだ時は正に衝撃的であった。
特に、連合赤軍の壮絶な粛清とリンチが想像を超えていた。
不平不満を言えば、自分がやられてしまう・・・。
異分子を文字通り徹底的に排除するという論理。
私はポルポトを思い出すのである。

「我々は独自の世界を建設している。新しい理想郷を建設するのである。
従って、伝統的な形を取る学校も病院も入らない。
貨幣も入らない。例え親であっても社会の毒と思ったらほほえんで殺せ。
今住んでいるのは新しい故郷なのである。我々はこれより過去を切り捨てる。  
泣いてはいけない。泣くのは今の生活をいやがっているからだ。  
笑ってはいけない。笑うのは昔の生活を懐かしんでいるからだ」
(ポル・ポト政権の児童に向けた指令文書より抜粋)

あさま山荘1972〈上〉あさま山荘1972〈上〉
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] あさま山荘1972〈上〉
[著者] 坂口 弘
[種類] −
[発売日] 1993-04
[出版社] 彩流社

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2005年12月27日

おすすめの本 『ふりだしに戻る(上下)』128冊目(1991 角川文庫)

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ニューヨーク暮らしにうんざりしていたサイモン・モーリーは、
九〇年前に投函された青い手紙に秘められた謎を解くため「過去」
1882年のニューヨークへ旅立つ。鬼才の幻のファンタジー・ロマン。
(本書紹介文より抜粋)

本書ジャック・フィニイ著 福島 正実訳『『ふりだしに戻る(上下)』が
角川文庫化され、入手しやすくなってから、
私は何度この本を繰り返し読んだことだろうか。
今まで私はこの傑作を何度も読んできた。
ジャック・フィニイは私同様に時に魅せられた人物で、
過去へ旅、過去への憧憬を主題とした小説を何篇も書いている。
本書はそのジャック・フィニイの真骨頂とも言える作品である。
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2005年12月11日

サド著 澁澤龍彦訳『ジェローム神父』122冊目(2003 平凡社)

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澁澤龍彦ホラー・ドラコニア
少女小説集成(全5巻)第1弾
誘拐、陵辱、殺戮そして食人。
犯罪小説サド、衝撃の復活!
(本書帯より抜粋)

今回、紹介するのは、2003年に平凡社から、
ホラー・ドラコニア少女小説集成【壱】として刊行された、
サド著 澁澤龍彦訳『ジェローム神父』を紹介する。

本書は黒地に金文字で華麗な帯が付いており、
また表紙等の挿絵には会田誠を起用している。
大変、美しい本で、私は平凡社の快挙だと思う。
サド作品にぴったりの会田誠の描く絵は妖しく、そして残酷である。
挿絵は食人をイメージされるものが大半であり、
これをよく出版したものだと感心する。
以前ならば、間違いなく発禁であろう。
近年の日本の挿絵本、
または澁澤本の中でも屈指の出来栄えで有り、
正に挿絵本の傑作だと思う。
買っておいて損は絶対しない本である。
限定本ではなく、商業出版で
ここまでのものを作りあげた事に賛辞を呈したい。

ジェローム神父 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)ジェローム神父 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] ジェローム神父 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)
[著者] 会田 誠マルキ・ド サド
[種類] 単行本
[発売日] 2003-09
..
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2005年11月08日

おすすめの本 吉村 昭著 『虹の翼』(文春文庫)115冊目

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今回は、吉村 昭著 『虹の翼』(文春文庫)を紹介する。
吉村昭は好きな作家の一人だ。数々の良作を発表している。
どれも力作揃いだ。歴史の中で光が当たる事が
少ない人物、出来事を好んで取り上げている。
本作『虹の翼』では二宮忠八を取り上げている。

二宮忠八は、ライト兄弟が世界初の飛行を
おこなった以前、1891年(明治24年)に、
ゴム動力の鳥型飛行器模型を飛ばした人物である。
その事を知る人は少ない。
二宮忠八(衛生兵)は飛行機の考案を
上官に提出したが、握りつぶされた・・・。
そんな日本社会の縦社会、また実績主義の弊害により、
世界的な発明がなされようとしたが、研究が頓挫したのである。
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2005年10月25日

おすすめの本 吉村 昭著 『深海の使者』(文春文庫)109冊目

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第二次大戦当時、途絶状態にあった日本とドイツを結ぶ連絡網をひらくため、
数次にわたって大西洋に進攻した日本の潜水艦の苦闘を描く力作。
(本書紹介文より抜粋)

今回は、吉村 昭著 『深海の使者』(文春文庫)を紹介する。
これも大変な力作であり、著者の淡々とした描写が素晴らしい。
日本の潜水艦史、また戦いを丁寧に書いた本である。
私は、この本も何度も読んだものである。

深海の使者 (文春文庫)深海の使者 (文春文庫)
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] 深海の使者 (文春文庫)
[著者] 吉村 昭
[種類] 文庫
[発売日] 1976-01
[出版社] 文芸春秋

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2005年10月15日

おすすめの本 井上ひさし著 『青葉繁れる』(1973 文藝春秋)104冊目

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この長篇は著者の精神的故郷である仙台を舞台に
妄想ばかりしていた少年時代をもつ男の思想的半自叙伝を
すべての権威を相対化してしまうパロディ意識で
つらぬいた愉快な青春小説。
(著者からの内容紹介より抜粋)

私は作家・戯曲家の井上ひさしが好きである。
井上ひさしは吉里吉里人を読んでから、
たてつづけに、井上ひさしの著作を読んだものである。
何度、彼の書いた小説を読み、笑った事であろうか。
この作品は、主人公の妄想と、思春期の性への目覚めと、
女子生徒への憧れを描いたものである。
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2005年10月03日

おすすめの本 見沢知廉著『天皇ごっこ』他 99〜101冊目

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見沢知廉。昭和34年東京生れ。
暴走族に参加、早稲田高時代に
左翼組織に加わり退学。
定時制高校を経て、中央大学法学部除籍。
新右翼に転向してゲリラ活動を行い、
57年には「スパイ」殺害事件で逮捕。
懲役12年の判決で服役中に書いた「天皇ごっこ」が
平成5年第25回新日本文学賞を受賞。
第二作「囚人狂時代」はベストセラーとなった。
(見沢知廉紹介文より抜粋)

2005年9月7日、作家見沢知廉(46歳)が自殺した。
彼は誠に特異な作家であった。
彼の書いた作品も私はよく読んだものだ。
とても印象に残る作品を書いている。

また、彼の事例に限らず作家の自殺はとても多い。
過去においても芥川、川端、違った意味では、
三島等が自ら死を選んでいる。
稀なる逸材が永遠に失われた事を私は残念に思う。
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2005年10月01日

おすすめの本 リタ・フリードマン著 『美しさという神話』98冊目

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「美しさ」「肉体的魅力」というテーマを、さまざまな実例、
多くの文献を取り上げ検証し、女性学・フェミニズムの枠を
超えて注目を集めた画期的論考。
(本書紹介文より抜粋)

第1章 美しき性
第2章 いいルックス、嫌な気分
第3章 小道具と化粧
第4章 行動と媚態
第5章 性別は運命か?
第6章 アメリカ美人、成長す
第7章 ダイエット、シェイプ・アップ
第8章 結婚の季節
第9章 アメリカ美人、年を取る
第10章 美の束縛をほどく

本書は、女の美しさとは何かを問うている。
女の美しさはいつだって、重要な要素である。
いつの時代であれ、どんな国であれ、
また人種、民族を問わず、
女は美しくあることを求められてきた。
また、どんな女であれ、美しくありたいと願うものだ。
また、いつの時代であれ、国を問わず、
女は美しく身を飾るものだ。

女の美しさとは何か?
女はどう見られてきたのか?
同性からは?また男性からは?
何故、女に美しさを求めるのか?
また女は何を期待されているのか?等を
判りやすく論じた本である。

本書には、こういう記述が有る。
(以下本書からまえがきからの抜粋)

「ほとんどの女性が、自分たちがどれほど美しさに価値を
置いているか、そして美しさを失うことにどれほど
恐れを抱いているかを認めるのが、困難であることに気付く」

「この本では、美しさを女性であることの重要な要素として
検証している」

常田景子訳で1994年新宿書房より刊行。
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2005年09月10日

おすすめの本 吉田 司 著『下下戦記』(1991 文春文庫)89冊目

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「賠償金なんていらないんだ。人並みに恋をして結婚したい」
70年代の日本を揺るがせた水俣病裁判。
だが若き患者たちの本音は世間に黙殺されていた。
安アパートの一室に集って自活して、支援者に振られたり
神戸へと駆落ちしたり…。
十代二十代の患者たちと八年間、寝食を共にした著者が
赤裸々に描いた自立運動の軌跡。
大宅賞作品。
(本書裏レビューより抜粋)

(目次)
1 清市の岩世界
2 下下の下下、下下の世界の…
3 袋中学反戦会議
4 若衆宿
5 誰が為に弔金は生る
6 夢中への脱出
7 脱出稼業は、娑婆娑婆ダ
8 生活学校
9 にがい町
10 我が腹たち割りて坐り込まん
11 聖し、この夜
12 一人びとりの「天国党」

これは確か新刊で買ったもの。
すさまじい物語である。
本書は、水俣病患者の魂の叫びであり、
また若き水俣病患者の青春、恋を描いたものである。
私は本書を何度も読んだ。
それほど、この物語にはひきつけられるのである。
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2005年08月27日

おすすめの本 吉岡源治 著『焼跡少年期』(1987 中公文庫)83冊目

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今回紹介するのは、吉岡源治 著『焼跡少年期』である。
1987年に中公文庫から刊行された。(単行本は1984年に刊行)
帯にはこう書いてある。
「戦災の傷跡を刻む貴重な体験記」

正にその通りで、貴重な体験記だと思う。
これでもか、と言わんばかりに、
次々と主人公を襲う不幸、困難、絶望・・・。
主人公は浮浪児になり、生きていく為には、
どんな事でもやらなければならなかった・・・。

戦争は都市を破壊したが、また人の心をも荒廃させた。
この本には、終戦後の混乱、風俗、進駐軍、娼婦等が
登場し、いかに現在とは違う日本がかつて存在していた
という事を戦争も終戦後も知らない世代に教えてくれる。
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2005年08月25日

おすすめの本 野坂昭如著 『てろてろ』(1971 新潮社)82冊目

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糞便学者ビン、オナニスト新吉、そして酒乱の禅介。
自分が何を憎み、何を愛するかも実感できず、
それぞれの嗜好に耽溺していた自閉症三人組にも、
あるとき殺意が芽ばえた。
殺人こそは他者との対話の究極の形と信ずる〈心優しきテロリスト〉に
変貌した彼らの、八方破れの心情と行動。
荒唐無稽の混沌の彼方に、
現代文明や風俗に対する確かな批評感覚を
浮び上らせた痛快テロ小説。
(本書紹介文より抜粋)

野坂昭如は、戦争を知らない私に、戦争とは何かを語り、
また、1970年代という時代がどんな時代で有ったのかを
作品を通し、私に語ってくれる。
特に、この『てろてろ』は、野坂昭如の真骨頂であると思う。
野坂昭如は好きな作家の一人である。
この本は、新潮社より1971年に刊行された。
装丁は池田満寿夫である。
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2005年08月12日

日本パルプ・ノワールの傑作 馳星周著 『不夜城』(角川文庫)65冊目

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今回、紹介するのは、金城武の主演で映画化もされた、
馳星周著 『不夜城』である。
馳星周は好きな作家の一人である。
この作品は日本のパルプ・ノワールの傑作だと思う。

この作品には善人などは一人も出てこない、
善人どころか、まともな道徳を持った奴など一人も出てこず、
全員が悪人で、同じ穴の狢である。
登場人物の誰もがエゴイストで有り、自分の利益しか考えない。
殺るか、殺られるか、食うか、食われるかの世界で有り、
決して牧歌的な物語ではないので、読む時には覚悟が必要である。
映画化もされたが、映画では倫理の問題が有り、
描写の制限や時間的制約も有るので、まだまだ表現は甘い作りになっていた。
小説は映画よりも何倍も無情で冷酷であり、血を血で洗う描写が多い。

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[タイトル] 不夜城 (角川文庫)
[著者] 馳 星周
[種類] 文庫
[発売日] 1998-04
[出版社] 角川書店

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